萩形キャンプ場 ~揺るぎない大悪路~

萩形キャンプ場 (はぎなり)

荻形キャンプ場 入口

About 萩形キャンプ場

秋田県北秋田郡上小阿仁村沖田面萩形にある廃キャンプ場。倒木の影響で2023年夏から営業を休止している。車での訪問も不可能である。

スポット評価

終末度合23
訪問難度24
観光要素22
化石価値24
総合評価93

あまりにも遠すぎる。本当に人が住んでいたとは思えない僻地だ。それでも僅かばかりの生命を感じられることこそが一番の学びである。ただ二度と行かない可能性が高い。

萩形キャンプ場のさじなげB級ポイント

みんな勝手だ。キャンプ場は行けないというんだから。確かめたこともない噂を、憶測だけで論じることこそ危ういことはない。我々は事実を調べたうえで村の悪口を垂れ流しているというのに。

しかしながら上小阿仁は美しいムラだ。どこかとは大違い。愛すべき存在だ。

八木沢

物語のはじまりが八木沢集落な時点で、果てしない道のりは覚悟しなければならない。

目的地は役場から30km離れている。車が無い時代のことは到底考えられない。

八木沢分校

2025年春の八木沢分校も相変わらずだった。まさかここがセーブポイントになる日が来ようとは…。

荻形まではだいたい往復3時間を想定しておくべきだ。忙しい秋田県人には難しいかもしれない。

巨大な集団移転

手彫りトンネル

萩形キャンプ場…は簡単に行けると思うなよ!!!!!!!!!!!!!!!!

ダムの先は車1台の通路となり、15分進むと手彫りのトンネルが現れるので以降は歩きとなる。そこから下ると土砂崩れ地帯があるため、陽気な気持ちと命を引き換えに好奇心を虐待しよう。

土砂崩れの先は原生林に戻っている。30分は歩くと思っていただきたい。

なお熊がでてきた場合はもれなくGAME OVERだ。コンティニューは存在していない。

荻形キャンプ場

爆裂にあるくとそれは見えてくる。事前に地図で入念に距離感や体力を考えたとて、道中の絶望は筆舌に尽くしがたい。まず帰りのことは完全に忘れるしかない。

歴代の知識人は「3年前の大雨でトイレが流れた」と話していたが、どうやら建物は大丈夫そうだ。我々は到底大丈夫ではないというのに。たいそうなもんだ。

荻形キャンプ場 炊飯
荻形キャンプ場 売店

萩形キャンプ場には管理棟・バンガロー・炊事場にトイレが閉鎖されている。

他にも売店があったようだが、そちらはガラクタと一体化していた。看板のみご存命だった。

萩形分校

1969年まで、地区には沖田面小学校萩形分校が開校していた。もちろん手前にあった萩形ダムが1966年に完成したことが大きく影響している。

山奥とはいえ、森林軌道が通り営林事業者が多く住んだ土地だ。かつては38戸もあったという事実を信じることはできない。※かつての萩形集落はキャンプ場より更に奥がメインエリア

キャンプ場は部外者からすれば引くほど遠かったが、2000年代前半まで「紅葉祭」といって毎年村民向けのイベントが開催されていたらしい。移転者への慰労も兼ねていたのだろうか。

ダム上流なので見事な渓谷もあったが、ここ数年の大雨のせいか降りる坂道が破壊されていた。

1959年の新聞が中滝ふるさと学舎に残されていた。田ノ沢と同じように、冬期間は完全に孤立して春を待つスタイルだったようだ。

荻形の歴史については村の図書館に記念冊子があり、詳しく知ることができる。しかし現地を少し見るだけでも、往時の苦労を全身で感じることができる。それでも泊まろうとは思えなかった。

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