本荘あすなろ児童遊園地 ~それは全て過去のこと~

本荘あすなろ児童遊園地 (葛法)

本荘あすなろ児童遊園地 外観

About 本荘あすなろ児童遊園地

秋田県由利本荘市葛法堤沢にある謎ちらかした子供用スペース。丘の上ではうん十年前に埋められたであろうプールがこんにちは。賑わいは無い。

スポット評価

終末度合20
訪問難度12
観光要素18
化石価値17
総合評価67

市の子育て支援は既に満ち溢れていた。誰にも縛られず、めでたいシャイニングが消えた子供たちを睨みつけている。それは終末に近づく町の未来を捉えているのだあ。

本荘あすなろ児童遊園地のさじなげB級ポイント

2025年9月、当委員会の子吉小学校葛法分校に関する記事で次のコメントがあった。

分校近くに葛法プールがあり、30年前に入った記憶があります。やたら深く、馬鹿みたいにアブが飛んでました。

葛法分校址
本荘市立子吉小学校葛法分校

しかしどうだろうか。学校跡地にそれらしきエリアは確認できない。なぜなら秋田市河辺の大張野ネイチャープールを勉強したばかりだったため、プール跡はそれなりにわかるはずなのだ。

ただ地図は嘘をつかない(更新不足でたまに嘘つかれるけど)。地図上には、永遠に残る輝きがある。内なる感情を紐解くため、我々の休日は血眼となって消えてゆく。

葛法滝ノ沢
本荘あすなろ児童遊園地 入口

その答えは葛法滝ノ沢集落にあった。元々葛法分校の跡地がわからず散策したエリアだっただけに、見逃しは口惜しい。だがそれが秋田という町だ、真実を一度では明かしてくれない。

まさかこの先にプールがあるとは誰も思わないだろう。きっと我々もそうだった。

裏山とのまぐわい

本荘あすなろ児童遊園地 全景

本荘あすなろ児童遊園地は一応現在「あすなろ公園」として概念が残っており、廃墟扱いではない公園。当委員会の所有する1997年の地図には児童遊園地名義で掲載されている。

そして重要なのはプールが残っていることだ。まずは70年代の地図がこちら。

60年代地図では道路整備前の雑多な田んぼが確認できたため、竣工は70年代前半だろう。

注目すべきは2011年の航空地図でも現役のプールとして埋められていない点にある。

本荘あすなろ児童遊園地 プール

ストビューが存在しないため明確ではないが、少なくとも2023年には埋められている。隣の畑が現役で稼働しているため、耕作地を拡大しようと目論んでいるのだろうか。

それにしてもしっかりしたプール跡だ。脱衣所やトイレ(現在は使用不可)も数年前まで使われていたような形跡がある。シャワーらしきものもあり、地域用にしては大層な設備である。

本荘あすなろ児童遊園地 プール2

逆に校舎移設先かつ町に近い船岡児童館にないのが不思議。地区に有力者がいたのだろうか。

ただベンチは半壊し、コケが生えている。電柱は無造作に放置されている。この公園は生きているのか、それとも果てているのか。それがわからない。

それでも、公園から見下ろす本荘市内は見事なものだった。

ここから写真を撮った人間は、何人いるのだろうか。観光ポスターの見覚えある写真たちに、あすなろ児童遊園地は何を思うのだろうか。思わぬ発見に心が躍った日だった。

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