中仙町立鶯野小学校 (うぐいすの)
About 中仙町立鶯野小学校
秋田県大仙市下鴬野上村にある学校跡地。1970年の閉校後校舎は解体されたが、当時の体育館がそのまま公民館として残されている。
スポット評価
終末度合 | 21 |
訪問難度 | 16 |
観光要素 | 18 |
化石価値 | 23 |
総合評価 | 78 |
抜群のアクセスながらよく生き残っている名勝である。数々の苦難を乗り越え、令和の時代にこの体育館が見れたことに感謝したい。現地住民の心意気を感じよう。
中仙町立鶯野小学校のさじなげB級ポイント
なんと2018年以来6年ぶりに中仙町物件が登場なさる。ラビット君も絶好調だ。
田沢湖線といえば地元住民以外ほぼ気にしたこともないだろうが、新幹線こまちを支える中で最も脆弱な存在として忘れてはならない。たまには刺巻駅の装飾のことも思い出してほしい。
さすがに旅人も鶯野駅で降りることはないだろう。駅前にはゴミ駐輪場と廃墟があるだけだ。
近隣住民曰く、ここは元骨董品店だったらしい。確かに建物ごとプレミア価値が出てきている。
大曲と角館の間、交通の要所になるはずだった4駅に人の姿は少ない。
それは変態が多いことに起因するだろう。この寒空にノースリーブで黒のブラジャーをつけたコソドロがいる地域はあまりにも奇天烈すぎる。出会ったら最寄りの公民館まで逃げ込もう。
秘めたる老人のパワー
中仙町立鶯野小学校は1970年に長野小・鑓見内小とともに中仙小へ統合。数年間はそのまま残されていたものの、80年代後半にふるさと創生事業の一環で校舎部分が公民館として建て替えられた。
現在は中仙公民館(ドンパル)の分館になり、事前予約すれば誰でも利用できる。
当委員会はもちろん外見では満足できないため、鶯野公民館の茂木管理人(70代後半/卒業生)に連絡を取り特別に体育館の中を撮影させていただいた。快いご対応に感謝感激である。
その内部は心意気以上にインパクト抜群だった。音響設備は当然存在せず、建付けの悪いドアが外界を阻んでいる。「鶯野文化芸能発表会」は毎年のお楽しみ行事なのだという。
茂木さん曰く、この体育館は本当は2022年に解体されるはずだったという。
当然の激しい老朽化のため当初は南外南コミセンと同様に解体スケジュールに計上されていたものの、住民が一致団結して市に請願し、一定の利用を条件のもと無期限延期してもらったんだとか。
今は地域に3人しか子供がいないが、放課後には名物のドンパン節を教えるために体育館を使うときもあるという。まさに住民に愛された理想的な廃校の余生である。
管理人室には旧校舎の写真が丁寧に飾られている。「いつか壊される日が来ても、鶯野小学校はずっと地域の誇りなんだ」と、茂木さんは静かにつぶやいていた。